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【ネタバレあり】映画 TENET(テネット)の時間軸を徹底解説!

更新日:

テネット_ストーリー解説
Copyright: © 2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

 

現在公開中のクリストファー・ノーラン監督の注目作

TENET (テネット)

難解な設定だけに、一度見ただけではなかなか理解できない今作。

 

今回は、分かりにくい時間軸の解説を行っていきます!

 

まだ、本編をご覧になっていない方向けに、ネタバレなしで紹介もしています!

[ネタバレなし]
映画 TENET(テネット)を紹介・レビュー

ストーリーの詳しい解説はこちらの記事から

【ネタバレ有】
映画「TENET」(テネット) ストーリーを徹底紹介

 

 


 

 

 

あらすじ

CIAの諜報員である「名もなき男」(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、キエフのオペラ劇場にて、テロリストの鎮圧のミッションに出動。

その結果、自身と仲間1人が囚われるという失敗を侵す。

仲間を裏切るよりは、死ぬことを選んだ彼は、与えられた毒のピルを飲む。

目が覚めた「主人公」は死んでおらず、フェイと名乗る男から、試験の「合格」を告げられる。

実はミッションは、彼が自分を犠牲にしてまで秘密を守り通せるかを試しており、それに合格した彼にフェイは、ある「ミッション」を課す。

それは第3次世界大戦を防ぎ、人類を救うというもの

未来から、「時間の逆行」を行う装置が送られたことで、時間を「過去に進められる」ことを知る主人公。

それによって、人類が滅亡する可能性を示唆された彼は、突如現れた協力者「ニール」(ロバート・パティンソン)とともに、人類を救うミッションへと身を投じる。

訳の分からないままミッションに参加する主人公と、謎の協力者「ニール」

「時間が逆行」するとは何か、本当の黒幕は誰なのか、そして「名もなき男」はミッションを成功させ、人類を救うことができるのか、、、

 


 

 

予告編はこちらから

 

ワーナー ブラザース 公式チャンネル

 


 

 

分かりにくい時間軸を徹底図式化!

今作の時間軸を説明するにあたり、分かりにくい時間軸を図式化してみました。

まずはこちらで、この映画の時間軸を整理してみましょう。

テネット_時系列
図内画像出典:Copyright: © 2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

 

その中でも難解なシーンとして、今回

・ カーチェイスのシーン

・ スタルスク12での戦い

の場面で、何が起こっていたのか、解説をしていきます。

説明の都合上、今我々が過ごしている平常時の時間の進み方を「直行」

逆に、時間が逆回しになる時間の流れを「逆行」

と読んで説明させて頂きます。

 

 

カーチェイスのシーン

カーチェイスの画像
出典: shutterstock

 

カーチェイスのシーンですが

結局、「プルトニウム241」はどこにあったの?

最終的にセイターはどうやって「プルトニウム241」を手に入れたの?

困る人

 

と混乱した人がいるのではないでしょうか?

先ほどの図でいうと、この黄色い枠内のシーンですね。

テネット_時系列_カーチェイス
図内画像出典:Copyright: © 2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

 

それでは、シーン順に、一つ一つ説明させて頂きますね。

「名も無き男」たちが「プルトニウム241」を盗み出す

(もちろん、セイターに渡すつもりはありません)

この時点で未来からの情報が入るまで、セイターは待機します。

未来から「逆行」してきたセイターからキャットを人質に「プルトニウム241」を要求される。

セイターを騙し、ケースのみセイターに渡す。

「プルトニウム241」自体は「謎のBMW」の中に投げ入れる

未来から(「逆行」してきたセイターによって)知り得た情報を元に、「直行」時間のセイターの部下たちは、「名も無き男」たちを追い詰める

「逆行」時間のセイターの尋問により「プルトニウム241」が「BMW」にあることを漏らす「名もなき男」

ここで「直行」時間軸のセイター登場

「名も無き男」の様子から、今から「逆行」する自分が「プルトニウム241」の隠し場所の情報を得たことを知る。

「名もなき男」に情報を漏らさせた事実を、成り立たせるために、「逆行」世界に入るセイター

そのセイターを追いかけるため、自らも「逆行」世界に入る「名もなき男」

何気なく施設の前に停まっていた「BMW」に乗り込む

(実はこの時点でこの「BMW」の中に「プルトニウム241」があります)

ケースのGPSを元に、空のケースが捨てられた場所でセイターと部下たちを待ち伏せる

捨てた時点から「逆行」して、「プルトニウム241」の場所(謎の「BMW」の行方)を探ります。

セイターを追ううちに、そのセイターを”追っていた”(「逆行」世界の「名も無き男」にとっては、これから追われるのですが、)「直行」世界の「名もなき男」たちの車が見えてきます。

その瞬間、これから"投げ入れられる"「プルトニウム241」が車内で動き始める

そこで初めて「名も無き男」は、自分の「BMW」こそが、「直行」世界で自分が「プルトニウム241」を投げ入れた「謎のBMW」だと気づく

気づいた時には遅く、「直行」世界の「名も無き男」に"投げ入れられた"ことで、「プルトニウム241」が「BMW」から出て行く

カーチェイスにより、「逆行」世界の「名も無き男」の運転する「BMW」が横転する

その車と、一連の流れを見ていたセイターもようやく、「プルトニウム241」のありかに気づく

「名も無き男」を「BMW」ごと爆破させ、「直行」世界に戻るセイター

「直行」世界で、「逆行」世界の「名も無き男」が「BMW」に乗り込んできた"後"に、無人の「BMW」から「プルトニウム241」を手に入れるセイター

 

つまり、恐らくですが

「名も無き男」自身が、時間逆行の考え方に慣れていなく、「逆行」時間の出発点が、「直行」時間の終着点であると理解できていなかったこと

が、このシーンをややこしくしているのではないでしょうか。

また、セイターも恐らく完全には、「逆行」時間としての考え方に慣れていなかったのではないでしょうか。

加えて、「プルトニウム241」が本当に、BMWに移動させられたのか、確認も必要だったため、「名も無き男」爆発の場面まで時間を「逆行」させる必要があったのではないでしょうか?

そして、セイターが実際に「プルトニウム241」を手に入れているシーンを描かれていないことも、視聴者を混乱される原因の一つにもなっています。

そんな「逆行」時間という直感に反する時間軸のややこしさが、(視聴者含め)全員の勘違いを生み、このようなストーリーになってしまった場面とも言えますね。

 


 

 

スタルスク12での戦い

作戦
出典: shutterstock

 

この戦いでは「時間の挟み撃ち作戦」を決行しているため、若干分かりにくいシーンになっています。

時間軸の図でいうと、画像の黄緑枠の部分になります。

テネット_時系列_スタルスク1
図内画像出典:Copyright: © 2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

 

この「時間の挟み撃ち」が理解できていなければ、

なんでニールは、「直行」世界に移動したんだろう?

はてな男性

 

といった疑問も生まれるかもしれません。

 

この「時間の挟み撃ち作戦」の目的は

情報戦を有利に進めるため、未来の情報を得ること

です。

そのために、未来の情報を得られる「逆行」軍を送る

のです。

 

ニールの所属した「逆行」軍は、「直行」軍が侵攻した1時間後に「逆行」して進軍します。

その時点で、侵攻"前"に「アルゴリズム」を封じるための爆発が起きています。

 

この時点で

爆発のある場所 = 「アルゴリズム」のある場所

が分かるのです。

 

当然セイター軍は、その情報漏洩を恐れて、それを阻止しようとします。

そのために、自らの軍も、「逆行」軍を作り出し、プリヤの軍を全滅させようとします。

(「逆行」軍に「直行」軍をぶつけても、お互い戦いにくいので、、、)

そのため、「逆行」軍同士の戦闘も自ずと生まれてきます。

 

セイターとプリヤの、それぞれの「逆行」軍と「直行」軍が同時に同じ場所で戦闘をしているため、映像的に分かりにくくなっているかもしれません。

ですが、なぜ「逆行」軍が有効なのか、そして、セイターもなぜ「逆行」軍を用意する必要なのかだけ理解しておけば、この戦いの目的も見えてくるのではないでしょうか。

 

ニールの行動の意図

ワーナー ブラザース 公式チャンネル

 

では、なぜ、「逆行」軍にいたニールは、「直行」世界に移ったのか?

その答えは

「名も無き男」とアイヴスを助けるためです。

 

「逆行」世界で

爆発

「名も無き男」とアイヴスが進入

セイター軍のボルコフが罠として爆弾を仕掛ける

という場面を目撃したニール。

(この時点で「直行」世界目線では、ニールは爆弾設置"前"の時点にきています)

一連の流れから

「名も無き男」とアイヴスが、敵の罠にはまり、地下に閉じ込められた

2人が爆発を回避するために、助けが必要

と判断します。

そのため、敵の「回転ドア」を用いて「直行」世界に戻り、危険を知らせようとします。

 

この時点で、「直行」世界の、爆弾を仕掛ける前の時点にいるニール

「名も無き男」とアイヴスに、車のクラクションで注意を引きます。

(こちらは、「名も無き男」視点でもちゃんと描かれています)

しかし、2人には気付かれず、2人が閉じ込められることを防ぐことに失敗

 

最終的には、なんとか機転を利かせて、クライマックスの爆発から2人を救い出します。

(ちなみにこの脱出は、「逆行」軍が侵攻する際にも描かれていますね)

 

つまり、ニールも「時間の挟み撃ち」作戦を独自に行ったことで、「名も無き男」たちを助けることができたのです。

 

「時間の挟み撃ち」という、こちらも直感に反する作戦なため、このシーンを難解にさせているのではないでしょうか。

しかし、この作戦の目的を抑えておけば、この場面の重要性も見えてきますよね。

 


 

 

クリストファー・ノーラン監督の映画は、時間軸がバラバラなことで、分かりにくいと有名です。

しかし、実は今回の「テネット」では、主人公「名も無き男」目線で言えば、時間軸は一定のままなんですよね。

なので、しっかりとこの時間軸を整理しておけば、物語の真実も見えてくるのではないでしょうか?

この記事を参考にして頂き、ぜひまた見返してみてください。

新たな発見ができるかもしれませんよ!

 

ちなみに、私なりにこの映画を考察してみましたので、合わせてお読みいただければ嬉しいです。

 

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