恋愛やビジネスの場面で活用できる心理学として有名な
認知的不協和の解消
という心理状態について紹介させて頂きます。
今回は、主に恋愛での活用の仕方を中心に紹介させて頂きます。
恋愛だけでなく、皆さんの生活の中でも活用して頂けたら幸いです。
Contents
認知的不協和の解消
認知的不協和とは
そもそも認知的不協和とはどういう意味なのでしょうか?
認知的不協和とは
人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語
認知的不協和 ウィキペディア(Wikipedia)
アメリカの心理学者、レオン・フェスティンガーによって提唱されました。
この不快感は、現状とは異なる「新しい情報」を得られたときに、頻繁に発生します。
例えば、何か勉強をしようとして、高い参考書を買ったとします。
その後に、知り合いから
その参考書、わかりにくいって人気だよ。
と言われたとします。
そんな時、大抵の人は、モヤモヤとした”不快感”を感じませんか?
ちなみに、この不快感は、現状に対して、高い労力やコストをかけた時("高い"参考書を買う 等)に大きく感じます。
認知的不協和の解消
人はこの"不快な状況"を解消するために、心理的なアクションを起こします。
これが、いわゆる
認知的不協和の解消
と呼ばれる心理状態です。
認知的不協和の解消① 新しい情報を否定する
多くの人は、その不快感(認知的不協和)の解消のため、自分の考えを新たに生み出します。
上記の例で言えば、
あいつは嘘しかつかないから、その噂は嘘に違いない。
と信じ込むことです。
例え、参考書を読み終わって、実際に知識が増えなくても、そのように考え、自分を納得させることでしょう。
このように、人は時に、事実と反する考えを信じてしまったり、常識とはかけ離れた認識をしてしまうこともあります。
認知的不協和の解消② もともとの認知を変える
時には、この「認知的不協和の解消」により、自身の認知を変容させ、行動さえも変えてしまうことがあります。
例えば、イソップ童話で語られる「キツネと酸っぱいブドウ」の話がまさにそれです。
この話で、キツネは高いところにある、美味しそうなブドウを食べたいと思うのですが、手が届きません。
(食べたいけど手が届かないから不快感が生まれます)
そこでキツネはこう思うのです。
あのブドウは、すっぱくて、不味いに決まってる
そうして、キツネはブドウを諦めて帰っていきます。
このように、キツネは、美味しいはずのブドウを取れないという新しい情報により、キツネは不快を感じます。
ですが、ブドウに対して、「すっぱくて不味いから食べる必要がない」という新しい認知に転換し、「届かなくて食べられない」という情報を否定します。
こうすることで、認知的不協和によって発生する不快感を解消させています。
このように、もともとの認知を変容させ、行動さえも変えてしまうことがあります。
「認知的不協和の解消」はどのように起るか。
では、これら2つの解消方法は、どのように起るのでしょうか?
それは、現状の状態に至るまでの労力やコスト、もしくは、今後行動する際の労力やコストに関連します。
つまり、
「今までの頑張りを否定したくない!」
「これからあまり頑張りたくない、、、」
といった考え方で、認知を自分の都合よく変えようとするのです。
例えば、認知的不協和の解消①のような状態で、もし、参考書が高価なものでなかったとします。
そんな時は、どんなに勉強に意欲があったとしても、他者からの否定によりすぐに「勉強を止める」という意識、行動に変化するでしょう。
まとめると、この「認知的不協和の解消」という心理状況が生まれるプロセスとは
自分の現状とは反する新しい情報を認知する。
↓
自分の現状とは違うため、その情報から、不快感を感じる。
↓
不快感を感じるその情報に対して、否定する、もしくは新たな目線の考えで認知を上書きしようとする
(その変化は、これまでの、もしくはこれから払うであろう、労力やコストによって選択される)
というプロセスで引き起こされています。
というプロセスで引き起こされています。
恋愛で「認知的不協和の解消」を活用するには
それでは、実際に、この「認知的不協和の解消」を活用した恋愛テクニックを紹介していきます。
ちょっとしたお願い事をする(お礼を伝える)
例えば、落ちたペンを拾ってもらうなどでも大丈夫です。
何か「お願い」することを癖づけてみましょう。
そうすると、相手側に、何かをして「くれた」という事実が生まれます。
この事実が、自分を好きになるきっかけを与えてくれます。
仮にもし、相手が自分のことを嫌いだったとします。
すると、「相手のことが嫌い」という認識と、本来なら好きな人にしてあげる「何かをしてあげた」という行為に、矛盾が生まれます。
その矛盾を不快に感じるため、相手は「相手のことが嫌い」という認識を変え、自分に対して好意的な印象に置き換えようとします。
結果として、お願いを聞いてくれた相手は、自分に対して好意的になります。
また、お願いを聞いてくれた際には、必ず「お礼」を伝えるようにしましょう。
より相手に好印象を与えられます。
ポイントは、相手が断りにくいギリギリのお願いをすることです。
「断る」という労力よりも、「お願いを聞く」労力が小さければ、お願いを聞いてくれやすくなるからです。
プライベートな話をする
相手とプライベートな話をすることで、
「プライベートな話をするということは、自分と相手は親しい関係なんだ」
と認識を変化させることができます。
それでは、プライベートな会話に誘導しやすい話題をいくつか紹介しておきます。
休みの日の過ごし方
一番手取り早いのが、休みの日の過ごし方です。
なんの脈絡もなく、「休みの日はどうやって過ごしていますか?」と聞いても不自然ではないですよね。
そこから趣味の話を、共感を交えて深掘りしていくと、プライベートな話に誘導できるはずです。
恋愛観
恋愛に関しては、最もプライベートな話題の1つになるのではないでしょうか。
まずは
「好きな芸能人とかいる?」
などと当たり障りのない質問からしてみましょう。
そこから
「その芸能人のどんなところが好きなの?」
「普段好きになる人もそんな人が多いの?」
「過去の恋人もそんな感じの人だったの?」
と、いったように、過去の恋愛話などに誘導してみましょう。
ここで注意して欲しいのは、
この話題は、ある程度親密になった相手へと投げかけるようにしましょう。
まずは、会話の流れで矛盾しない内容の話をしてみましょう。
(先ほどの「休日の過ごし方」でもいいですね)
その中で、共感を交えながら話を聞くことで、信頼関係を築きましょう。
この恋愛観は、関係性を一歩踏み込むための会話の手段として活用してみましょう。
身体的な話
自分の体のことも、プライベートな話題の一つです。
「恋愛観」と同じで、ある程度親密になった相手との話題で用いてみましょう。
身体的な話題への誘導として、まずは自己開示を行うことを意識してください。
まずは自分の健康状態や、身体的な話をしてみましょう。
その後、相手の様子を伺いつつ、相手へも質問をしてみましょう。
身体的なことは、いわゆる「セクハラ」にもつながりやすいので、信頼関係構築が不十分が状態では話題にしないように注意しましょう。
将来や未来の話をする
将来や未来の話をすることも、認知的不協和の状態を作ることができます。
「将来や未来を共に歩むイメージ」を相手に与えやすくなり、自分のことを「親密な人間」だと認識しやすくなります。
それでは、将来や未来をイメージしやすくなる話題を紹介します。
ある程度、相手に踏みこんが話題になるので、こちらも信頼関係を築いた状態を前提として話題にするようにしてください。
将来の夢
将来の夢がない人は、いないといってもいいのではないでしょうか。
そんな将来の夢を話題にすることで、「認知的不協和の解消」を用いて自分への好意を抱かせるきっかけになります。
まずは、自分の将来の夢や、目標を開示し、相手が話し易い状態を作ります。
そこから、将来の大きな目標に向けて、
・今頑張っていること
・今目指している、小さな目標
などを聞き出してみましょう。
将来の夢に向けて、細かい筋道をイメージさせることで、より相手に、「自分と歩む未来」をイメージさせやすくなります。
結婚観
恋愛観の延長線として、結婚観を聞いてみることもいいでしょう。
・どんな人と結婚したいか?(付き合いたい人とは違う価値観はあるか)
・何歳までに結婚したいか?
・子供は何人欲しいか
など具体的に聞くことを意識してみてください。
具体的に聞いてみることで、より未来をイメージし易くなり、結果として、自分への親密度は高まります。
ただし、「結婚願望がない」という人も最近は増えてきているので、その点はまず確認しておいた方がいいかもしれません。
「心理学を活用する」と聞くと難しく感じる人もいるかもしれません。
しかし、人間関係を良好にするツールとしては、知っていて損はないのではないかと思います。
まずは、少しずつ理解しながら、会話の中で使ってみて、相手の反応を伺ってみましょう。
最初からできる人などいません。
少しずつでも、活用できるように、まずは意識して会話をしてみてはいかがでしょうか?
この記事を読んで頂き、あなたの人間関係が、良好になものになって頂ければ、幸いです。
そして、あなたの人生が、今ままで以上に、素晴らしいものになることを願っています。
記事内画像出典: かわいいフリー素材集 いらすとや