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【ネタバレあり】映画「プレステージ」考察・深堀りレビュー

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プレステージ_映画ポスター
© Newmarket Films/zetaimage

 

みなさん こんにちは!

本日は

 

映画「プレステージ」

(原題: The Prestige)

 

ネタバレありで、深く考察していきます!

 

一方は「人生を賭けて」行うマジック、もう一方は文字通り「命を賭けて」行うパフォーマンス。

そんな2人のマジシャンの対決を、深く読み解いていきます!

 

注意!!

この先、映画「プレステージ」のネタバレを含んだ内容となります。

まだこちらの映画を観ていない方は、ご注意ください!

まだご覧になっていない方はこちらの紹介をどうぞ!

【ネタバレなし】映画「プレステージ」紹介・レビュー

 

 


 

 

 

 

〜 あらすじ 〜

舞台は19世紀末ロンドン。

人気マジシャンのアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)は、自身のライバルである、ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)の瞬間移動マジックの種を探るため、アンジャーの舞台裏に忍び込んでいた。

そこでボーデンは、普段脱出マジックに使う大きな水槽を発見する。

その瞬間、舞台の床が空き、水槽にアンジャーが落ちてくる。

水槽でアンジャーは溺死、その場にいたボーデンは逮捕される。

 

時は遡り数年前、若き奇術師ボーデンとアンジャーは、共にカッター(マイケル・ケイン)の元でマジックの修行を行なっていた。

ある日、マジックの舞台上で、「水槽脱出」マジックの最中、マジックが失敗し、助手であったアンジャーの妻がなくなってしまう。

その事故の責任を、ボーデンが彼女の腕を結んだ結び方にあったため、アンジャーは彼を責め、2人は決別してしまう。

そして互いのステージで相手の邪魔をし合うようになる2人。

しまいには、アンジャーの邪魔のせいで、ボーデンは左腕の指を2本失ってしまう。

そしてついに、ボーデンは究極のマジック「瞬間移動」マジックを完成させ、一躍人気マジシャンになる。

彼のトリックを探るアンジャーだが、どうしてもトリックが見抜けず、ありきたりのタネである「替え玉」を使っうアンジャー。

同じような「瞬間移動」のマジックを行うが、「替え玉」に裏切られるなど、どうしても上手くいかなかった。

そして、ついに、ボーデンのマジックの真相がコロラドの地にあると突き止めたアンジャーはその地に赴き、「テスラ」という人物に出会う。

そこでアンジャーが知った、驚愕の事実とは、、、

果たして、ボーデンが行なった「瞬間移動」のトリックとはなんなのか?

謎の人物「テスラ」とは誰なのか?

そして、アンジャーはなぜ、死ななければならなかったのか?

2人のマジシャンによる世紀の奇術対決はどちらが勝利するのか?

この映画は、全てのシーンがトリックであり、決して騙されてはいけない、、、

 

 


 

 

考察ポイント Pick UP !!

 

それぞれのトリックと物語の結末について

出典: shutterstock

 

いきなりネタバレですが、この物語の結末について言及していきます。

 

「瞬間移動」マジックに囚われた2人のマジシャンは驚きのトリックを用いていました。

1人はショーの舞台だけでなく私生活においても、2人で1人の人間を演じることで作り出した、完璧な替え玉を用いて。

もう一人は、発明家ニコラ・テスラの装置を使い、ショーの度に自分のコピーを作り出し、別な場所に出現させることで、瞬間移動のように見せかけるマジック。

 

単純に考えれば、このような結末で終わる本作ですが、しっかりと「観込んで」みると、物語全体であらゆる伏線が散りばめられていることに気付きます。

 

特に、自分のコピーを作り出した、ロバート・アンジャーのトリックは、最後のカットで、恐ろしい想像を掻き立てられます。

また、ボーデンのトリックも、バックグラウンドを深く読み解くと、悲しい事実が見えてきます。

そんな物語の根幹となる、2人のマジックについて、深掘りしていきます!

 


 

 

ロバート・アンジャーのトリック

出典: shutterstock

 

アンジャーのトリックは

自身のコピーの作成

により「瞬間移動」に見せかけるトリックを用いていました。

確かに予想外のトリックですが一見単純なトリックに見えます。

しかし、このマジックを行うには相当な覚悟がいるのです。

なぜかは最後のカットで明らかになります。

 

言及されていませんが、このマジックは、自身のコピーを作り出した際に、コピー元である古い自分を毎回殺しているのです。

ショーは限定100回の講演でしたので、その数100回。

ボーデンがアンジャーの死を目撃したのは、そのうちの1回でしかないのですね。

 

またアンジャーは

「勇気がいった。毎晩迷いながらマシンに立つ。自分は落ちて死ぬ方なのか。現れる方なのか」

と語りますが、こちらは必ずしも正確ではありません。

彼は、毎回落ちて死ぬのです。

現れる方は、あくまでコピーとして、"新しく作られる"ので、記憶を引き継いでいるだけなのです。

マシンに立つ古い自分は、常に死ぬ運命にあります。

 

そして記憶と共にその恐怖も引き継ぐので、最後に現れたアンジャーの恐怖は計り知れないものになっているでしょう。

 

想像してみてください。

ショーのたびに死の恐怖を感じ、それでもマジックを行わなければならないと。

あなたには耐えられるでしょうか?

その恐怖を想像することで、この物語は真の結末を迎え、実態を持って感じる恐怖を感じることができるのです。

 

ボーデンは毎夜水死により自ら命を絶っています。

こちらの死を選んだのには、同じように水中でなくなった妻のジュリアの存在が大きいのでしょう。

(実際、ジュリアをなくした直後、自身も水で自殺をはかっていますしね)

彼は本当は死を求めていたのか、はたまた純粋に観客の歓声を求めていたのか、、、?

  

また、アンジャーは自身の死亡後、「コールドロウ卿」として登場します。

実はこの「コールドロウ卿」にも小ネタがあるんです。

妻のジュリアに語るシーンで「身分や名前を偽っている」「家名に傷がつく」と言った発言が出てきます。

実はこちらで、ボーデンは貴族出身ということが示唆されています。

そしてその本名が「コールドロウ卿」なんですよね。

「コールドロウ卿」は結構序盤に出てくる名前なので、再度見直した時に、こういった小ネタに気付けると、面白いですよねw

 


 

 

アルフレッド・ボーデンのトリック

出典: shutterstock

 

ボーデンの瞬間移動のトリックは、

替え玉

によるトリックです。

しかし、その替え玉のレベルが段違いで、2人の人間が1人の人生を歩むと言った徹底ぶり。

そのために、1人が指を失えばもう一人も指を失い、愛する人までも共有するほど、人生を「瞬間移動マジック」に捧げているのです。

  

アンジャーがボーデンの手記を読んだ際の感想

「彼は家庭を切望し、次の瞬間、自由を求めている。彼の心は2つに裂けている」

一見、詩的な表現のようなこの感想も、実際に2人で書いていたからなんですね。

 

また、ボーデンが

ボーデンがサラが妊娠したと知った時、とっさに

「素晴らしい! ファロンにも伝えよう!」

と言っています。

これは、この時のファロンがサラを愛しているボーデンであり、彼との子供だとボーデンが認識しているためではないでしょうか。

 

一方で、スパイとして潜入していたオリビアがボーデンのことを「フレディ」と読んでいます。

実はこれ、原作だけの設定なのですが、ボーデンは双子で、もちろんそれぞれに名前があります。

その名前が「アルバート」と「フレデリック」

2人の名前を合わせて「アルフレッド」・ボーデンなんです。

そして、サラを愛していないボーデンが「フレデリック」で愛称がフレディなんです。

 

こうやって、ボーデンをそれぞれ、妻のサラを愛した「アルフレッド」、アシスタントのオリビアを愛した「フレデリック」として見ることで、今のボーデンがどちらのボーデンなのか考察もできます。

 

アンジャー殺害容疑で刑務所に入っていたのは、「フレデリック」で、処刑をされたのも彼です。

これは、処刑の直前にボーデンの言った、

「すまない、、、色々と、、、サラのことも、、、」

と言った発言から分かります。

その相手ファロンが、サラを愛した「アルフレッド」・ボーデンだからですね。

「アルフレッド」はサラを失った悲しみを抱えたまま、生きていくことになり、「フレデリック」は愛するオリビアと遂に一緒になることなく、生涯を終えてしまいます。

そのことを考えると、胸が詰まりますね。

 

また、このボーデンのトリック、見事な点が、

ミスディレクションに見せかけたトリックが、実は本当のトリックだった

という点ですね。

観客が、「替え玉がいるのだ」というミスディレクションに気付き、「実際はもっと違うトリックがあるに違いない」と思い始めたところで、実はそのミスディレクション自体が真実だったと明かす。

まさに、裏の、裏をかいたトリックなんですよね!

 


 

 

いかがでしたか?

やはり「プレステージ」は1度だけでなく、何度かみていただいて、この映画の意味を知り、理解することで、新たな発見や感じる恐怖がありますね、、

 

気になった方は、こちらから再度ご覧ください!

 

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出典:U-NEXT

 

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