今回は現在公開中のミステリーサスペンス映画
「ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE-」
のあらすじと見所を紹介します。
「安楽死」の是非が問われる今作。
そして、「安楽死」を請け負う、ドクター・デスの正体とは?
ドクター・デスを追う2人の刑事が迎える、衝撃のラストとは?
気になった方は、是非劇場まで足をお運びください。
Contents
あらすじ
警視庁捜査一課において、検挙率No.1のコンビ、犬養隼人(綾野剛)、高千穂明日香(北川景子)。
彼らは、ある通報を受けて、ある少年の元を訪れる。
「お父さんが殺された」
そう言って通報してきた少年、馬籠大地の元を訪れた2人。
彼らはそこで、通報した少年の父親、馬籠健一が、ドクター・デスと名乗る医師に安楽死させられたことを突き止める。
「苦しむことなく殺して差し上げます」
依頼を受けた家族と本人を、同意の元、安楽死させるドクター・デス
馬籠家をきっかけに、ドクター・デスによる、安楽死事件が多数確認され、早速調査を開始する犬養と高千穂たち。
しかしドクター・デスにより、闘病に苦しむ患者や家族が救済されたとして、遺族たちはドクター・デスの正体を隠そうとする。
遺族たちは全員、ドクター・デスを擁護する姿勢ばかりみせ、難航する捜査線。
彼ら患者に懇願され、安楽死を実施したドクター・デスは本当に殺人者なのか?
捜査が進み、ドクター・デスの正体に近づく2人。
だが一方で、腎臓病を患う犬養の娘、沙耶香(田牧そら)がドクター・デスに安楽死を依頼してしまう、、、
果たして、ドクター・デスの正体は誰なのか?
そしてドクター・デスは殺人鬼なのか、それとも、本当は救世主なのか、、、?
見所 Pick UP !
原作は大人気ミステリー
原作は、「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した、中山七里の小説「ドクター・デスの遺産」
出典: amzon.co.jp
「刑事 犬養隼人」シリーズの第4作品目に当たります。
ミステリ作品で有りながら、「安楽死」の是非を問う問題提起作です。
安楽死の是非
今作のテーマである「安楽死」
本人や家族が望んだ場合、安楽死は正当化されるのか?
もちろんですが、国内では、安楽死は明確に容認されていません。
ただし、以下のような条件のもと、安楽死(積極的安楽死)は容認されるという考え方も有ります。
下記の厳格な条件を全て満たす場合には違法性は無いために阻却される(刑事責任の対象にならず有罪にならない)と述べている。
一般的に他人(一般的には医師)が行う場合は下記の4条件を全て満たす場合に容認される(違法性を阻却され刑事責任の対象にならない)。
・ 患者本人の明確な意思表示がある(意思表示能力を喪失する以前の自筆署名文書による事前意思表示も含む)。
・ 死に至る回復不可能な病気・障害の終末期で死が目前に迫っている。
・ 心身に耐えがたい重大な苦痛がある。
・ 死を回避する手段も、苦痛を緩和する方法も存在しない。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「安楽死」
また、日本以外では、スイスやアメリカの一部の州、オランダ、ベルギーでは安楽死が合法化されている国もあるそうです。
「安楽死」とは、見方次第で、殺人になったり、救済になったりと難しい題材です。
警察として、殺人は殺人と割り切り調査をする犬養と高千穂。
ですが彼らもこの「安楽死」について、自分たちのしていることは正しいのかと悩みます。
被害者の無念を晴らすためにこの仕事を行なっていると考える高千穂は
「この事件の被害者って誰なんでしょうか」
と、目的を見失いかけます。
あなたは、「安楽死」を「殺人」だと思いますか?
それとも「救済」なのでしょうか?
ドクター・デスの正体とは、、、
ドクター・デスとは、実在するアメリカの医師「ジャック・ケヴォーキアン」の異名です。
彼は積極的安楽死を推奨し、130人もの患者を安楽死させました。
今作のドクター・デスは、この「ジャック・ケヴォーキアン」の意思を受け継ぐと自称しています。
タイトルの「ドクター・デスの遺産」に含まれる「遺産」という言葉も、この「ジャック・ケヴォーキアン」の遺産という意味ではないでしょうか?
彼の遺産と言える意思を受け継ぎ、ドクター・デスは「安楽死」を遂行します。
「人には生きる権利と、死ぬ権利が平等にあるのです」
彼はその言葉で、多くの患者を「安楽死」させています。
依頼の請負は闇サイトで行われ、しかも報酬は0円。
見返りを何も求めていない行動に、警察側は混乱させられます。
また、遺族はドクター・デスに感謝し、彼を庇うような嘘の証言をするため、捜査はさらに混乱させられます。
果たして、ドクター・デスの正体とは一体誰なのか?
さらにこのドクター・デス、キャストも明らかにされておらず、完全にシークレットとなっています。
原作を読んだ方も、このキャストを予測するという、映画だけの楽しみも味わうことができるのではないでしょうか。
シークレットキャストの正体
今作では、シークレットキャストとして、犯人ドクター・デスのキャストは秘密にされてきました。
これに関して、主演の1人、北川景子さんはこのように語っています。
北川も取り調べのシーンを振り返り、「ほんとに異様な空間で、終わったあとドッと疲れるというか、吸いとられる。夏に撮ってたのでセットの中はすごく暑いんだけど、なんかゾワゾワ鳥肌がとまらないというか、ほんとに不気味な感じがした」とその演技力に感嘆していた。
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果たして、今回ドクター・デスを演じるキャストは誰なのか?
物語の中盤よりドクター・デスは登場するのですが、その登場の仕方が特殊で、物語の終盤にかけて驚かされる人もいるのではないでしょうか?
是非予測しつつ、ご覧ください!
最強タッグの刑事ドラマ
今作はミステリーを原作としており、最後まで予測できないラストが待ち受けます。
しかし違った楽しみ方として、刑事ドラマ的な要素も盛り込まれています。
私個人的な意見としても、ミステリーというより、刑事ドラマに近いのかもしれません。
刑事ドラマのように、個性的なキャラクターが登場することも本作の魅力の一つです。
主人公犬養は、破天荒ながら、勘の鋭い刑事を綾野剛さんが演じています。
また、北川景子さん演じる高千穂も、女性ながらの冷静沈着さを持ち合わせつつ、犬養をサポートします。
そんな正反対ながらも、息の合ったコンビが織りなす捜査から、目を見放すことはできません。
そして、大きなアクションはないものの、綾野剛さん演じる犬養のチェイスシーンなど、刑事ドラマのような見せ場も随所に現れます。
刑事ドラマのような個性的なキャラクターや、犯人とのチェイスシーンも、今作の見所の一つとなり、お楽しみいただけるのではないでしょうか?
「安楽死」という難しいテーマを扱っているだけに、上映中は終始、何が正しいのか、考えさせられる映画でした。
自分がいざ、そのような場面に置かれたら、、、、
もし、自分の大切な人が安楽死を望んだら、、、
そんな想像をしつつ映画を見ることで、このテーマの生々しさが体感できました。
あなたは「安楽死」について、どう考えますか?
気になった方は、是非劇場まで足をお運びください!
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